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「あの時の行動を考えれば、苦しい逃避行を続けていたとしても不思議ではない」。警視庁幹部は険しい表情で語る。「あの時」とは8年2月15日。動向をつかんだ警視庁の捜査員数十人が、斎藤元信者を尾行していたのだ。
同日、斎藤元信者は東京都清瀬市から、知人と一緒に都心へ向かった。文京区内の駅で知人から50万円を受け取った直後、異変が起きる。発車直前に閉まった列車のドアをこじ開けて駅のホームに飛び出し、上り下りの列車を繰り返し乗り換えながら、鬼気迫る表情で逃走を始めた。
「尾行に気付かれた」。1人、また1人と脱落する追跡班が焦りを募らせる中、斎藤元信者はJR新宿駅前の雑踏を猛然と駆け抜け、姿を消した。その後、防犯カメラの画像から、JR東京駅で東北新幹線に乗車したことが分かっている。
斎藤元信者と平田容疑者は7年5月ごろから、ともに行動。斎藤元信者は8年2月ごろまで、仙台市宮城野区の割烹(かっぽう)店に「山口今日子」の偽名で勤務。同市若林区の従業員寮で平田容疑者と一緒に生活していた。
警視庁の尾行を振り切った後、勤務先に突然、退職を申し出、約10万円の給料を東京都新宿区の福祉施設に振り込むよう言い残した。その後、行方不明に。捜査幹部は「一切の痕跡を絶ち、2人きりで逃走するには限界がある。教団周辺からの組織的支援がなかったか、徹底的に調べる必要がある」と強調した。
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